2017年02月10日16時49分 に初出の投稿

河本孝之Takayuki Kawamoto

Last modified: 2017-02-10 16:49:15

[Ameba Owned で2016年2月23日に書いた記事です。]

もともとは違うことを書こうとしていたのにログインできなくなって、すったもんだしているうちに、もともと何を書こうとしていたのか忘れてしまいました(笑)。

ということで、本当はここで書くつもりではなかった話ですが、ついでなので書いておきます。

よく英会話を子供のうちから勉強させるとか、あるいは社会人になってからでも TOEIC などを勉強するという人は、昔からたくさんいるわけです。でも、そういう人たちが読む参考書の殆どは、全く現実離れした前提でアドバイスを書いています。

例えば、会話の聞き取りにしても、みなさんよく考えてください。みなさんの周りにいるコテコテの日本人に、明瞭な発音で、正確な文法に従って、誰でも分かる言葉を使って話している人が、いったいどれだけいるでしょうか? 圧倒的多数の人は、自分が言いたいことだけを一方的に喋る早口、自分自身にだけ聞こえたらいいかのような小声、支離滅裂で論旨のよく分からない内容、意味不明な俗語、敬語や TPO を無視したスピーチレベル、言葉の誤用や無知、おまけに、これは不可抗力なので責められることではありませんが、ドモリや方言など、正確には何を言いたいのか分からないことを喋っています。

こんなことは、実際には外国人と会話するときでも同じなんです。英会話の通俗本がモデルにしている、絵に描いたような簡潔で的確な会話というのは、要するに彼らがもともと簡潔で的確に喋らなくてはならないビジネスの世界だけを想定しているからであり、現実にはそんな芝居じみた会話なんて限られた状況でしか成立しません。

なので、TOEIC にしても 900 点なんて目指す必要はないんです、本当のところ。900 点以上取っていても全く英語が使えない人はたくさんいます。それは彼らが TOEIC というゲーム的な試験にしか対応できない「マニュアル人間」だからだと言われたりしますが、僕はそうは思いません。そうではなく、寧ろ現実の会話というのは TOEIC の問題みたいな理想的な状況とは懸け離れているからです。つまり、900 点だろうと無理なんです。したがって、聞こえなかったら "Pardon?" などと聞き返すフレーズを覚えたりして、自分がちゃんと聞けるように喋ってもらう方がよいでしょう。相手が分かってもらいたいと思っていれば、喋りなおしてくれます。

これも英会話の本で、英会話の上達は女性が速く、関東人よりも関西人の方が速いなどと言われたりしますが、本当かどうかはともかく、自分が分からないと思ったら「分からない。分かるように喋って」と言えなくてはなりません。こうしたことを「厚かましいこと」だと考える人は、たぶん「厚かましい=関西人」などという軽い差別を下敷きにしているのでしょう。また、女性なら多少は甘えて「分からないから、言い直して」と言っても許されるなどという、これまた軽い差別を下敷きにして「女性の方が英会話の上達は速い」などという話を書いて喜んでいるのかもしれませんが、本質はそのようなことにはありません。

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