2017年02月03日11時09分 に初出の投稿

河本孝之Takayuki Kawamoto

Last modified: 2017-02-03 11:09:02

科学新興社は数学の「モノグラフ」シリーズ(矢野健太郎/監修)や『解法のテクニック』、『解法の手引き』(矢野健太郎/著)といった数学の本で記憶している出版社だ。奥付けには所在地が「大阪市北区兎我野町」とあって、梅新の交差点から新御堂筋に沿って 100 m ほど北へ進んだところに当たる。梅田近辺に行く方はご存知かと思うが、この辺りは周辺の堂山町、太融寺町、曽根崎町、野崎町などにまたがる風俗店エリアとなっていて、およそ出版なかんずく数学書の出版とは関わりがなさそうだが(「数字」すなわちゼニに興味のある人は多くいそうだが)、この付近には讀賣新聞社大阪本社(野崎町)を始めとして、大阪教育図書(野崎町)、企業開発センター(南扇町)、清風堂書店出版部(曽根崎町)、そして科学新興社の出版物について「発売元」となっているフォーラム・A(清風堂書店系列)など、数多くの出版社がある。そして、科学新興社についてはウェブ上のリソースは殆どなくてフォーラム・A と同じ所在地となっている。社名もどうやら「科学新興新社」と変わったらしいので、版権も含めて裏で色々とやりとりがあったのだろう。

高校を出てからも、たまに書店で高校生用の参考書を眺める。自分自身が高校生の頃は『大学への数学』という雑誌を購読したり、色々な問題集を買っていたのだが、数学の授業や参考書からは「表面的な非論理性」というか、場当たり的なテクニックの積み重ね(補助線や定理を使って解くのは分かるが、どうやって「その補助線」や「その定理」を使えばいいと分かるのかを説明しない限りは、ただのトンチにすぎない)という印象が強く残っていて、いまでも多くの参考書は僕にとって非論理的に思える。たとえ解説が証明の体を為していても、答えを導くための補助定理や仮定をどうやって relevant だと思い至るのかという点については暗記と試行錯誤に頼るしかない。大学のテキストを読んでいても、似たような調子で推論の飛躍が多い書籍は読むのが疲れる。もちろん、そういう「行間を読む」ことも勉強の一つではあるのだけれど、少しくらいは厳密な推論を展開してくれるような参考書がないものか、そういうものなら高校の参考書でも改めて読んでみたいなと思っている。

ただ、一つの答えを導くために必要な知識を一から証明して行くとすると、それこそ 1 + 1 = 2 を解説するために集合論や代数系をマスターするといった話になってしまうので、なるほど暗記と試行錯誤を繰り返すこともまた「勉強」のうちなのではあろう。

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